日本科学者会議京都支部 2007年度 第27回京都総合科学シンポジウム
2008年3月16日(日) 10時〜16時30分 |
科学の軍事化と科学者の責任 ― 北東アジアにおけるアメリカの軍事戦略とミサイル防衛 ― |
★講 演 (1)10:00〜11;15 藤岡惇: ミサイル防衛と宇宙の軍事利用 (2)11:20〜12:35 山崎文徳: 戦後アメリカの軍事戦略と防空システムの開発
昼休み: (3)13:45〜15:00 新原昭治: 今日のアメリカの軍事戦略と自衛隊の役割
★パネル討論 15:10〜16:30 |
★参加費・資料代:一般500円、院生・学生は無料 |
<シンポジウムの目的> 月探査衛星「かぐや」が宇宙航空研究開発機構によって2007年9月14日打 ち上げられた。そして、11月にはハイビジョンカメラによる月面映像を送って きた。この計画の目的は、月の起原と進化を探ること、ならびに衛星の飛行制 御の実験である。 これまでの日本の宇宙開発は、1969年の国会決議「宇宙の平和利用決議」に のっとって、平和の目的に限って進められてきた。平和の目的とはつまり「非 軍事」を意味すると解釈された。憲法9条が背景にあることは確実である。 ところが、2007年6月、自民党と公明党は、ミサイル攻撃からわが国を守 るためと称して「宇宙基本法案」を国会に上程した。 これによってわが国の宇宙開発の基本方針を「非軍事」から「非侵略」に変 えるとしている。法案が成立すれば、さしあたり軍事情報収集衛星の打ち上げが可能となる。宇宙科学の軍事化が企まれている。ミサイル防衛は日米の軍事利権の格好の市場なのである。 北朝鮮のミサイル問題がこの企みの口実にされていることは明らかである。では、北朝鮮のミサイル技術の実態や発射の意図はどのようなものか。それに関連して、アメリカは北東アジアにおいてどのようなミサイル防衛戦略を立てているのか。これはアメリカの軍事戦略の変遷の中でどのように位置づけられているのか。そして、日本の自衛隊はどのような役割を分担しようとしているのか。北東アジアに住む者として、戦争を回避するためにこの地を「非核非ミサイル」地帯にしなければならない。科学の軍事化は阻止されなければならない。そのためにわれわれは何をなすべきか。 以上のような問題意識をもって本シンポジウムを企画した。「講演の部」ではお三方にそれぞれの演題でご講演いただき、「討論の部」では『科学の軍事化と科学者の責任』のテーマを取りあげることにした。 |